2026/03/14
セルフライゲーションSystemリンガル矯正とは?
「セルフライゲーションのリンガル矯正って何?」
「普通の舌側矯正と何が違うの?」
「治療期間は短くなるの?」
矯正治療を検討している方の中には、セルフライゲーションリンガル(self-ligating lingual braces)という言葉を見て疑問に感じる方も多いでしょう。
セルフライゲーションとは、ワイヤーをゴムや金属で結紮しない特殊なブラケット構造を持つ矯正装置です。
これを歯の裏側に装着する舌側矯正(リンガル矯正)と組み合わせたものが「セルフライゲーション・リンガル」です。
この記事では
- セルフライゲーションリンガルとは何か
- 通常のリンガル矯正との違い
- 治療期間やメリット・デメリット
- 適応症例と注意点
を矯正歯科の視点からわかりやすく解説します。
セルフライゲーション・リンガル矯正とは
セルフライゲーションリンガル矯正とは、
セルフライゲーションブラケットを舌側矯正に使用する治療方法です。
通常の矯正装置では、ブラケットとワイヤーを
- エラスティック(ゴム)
- ステンレスワイヤー
で固定します。
一方セルフライゲーションブラケットは
ブラケット自体にシャッター構造があり、ワイヤーを直接固定できる
のが特徴です。
代表的なセルフライゲーション装置には以下があります。
| 装置名 | メーカー | 特徴 |
|---|---|---|
| Damon System | Ormco | 低摩擦システムで有名 |
| In-Ovation | GAC | アクティブタイプ |
| SPEED | Strite | コンパクトなブラケット |
ただしリンガル矯正では、
通常のセルフライゲーションブラケットをそのまま使うことは少なく、
- WIN Lingual System
- Incognito Appliance System
- Harmony Lingual System
などのカスタム舌側矯正装置が主流です。
通常のリンガル矯正との違い
セルフライゲーションリンガルブラケットと通常リンガル矯正ブラケットには構造的な違いがあります。
| 項目 | セルフライゲーションリンガルブラケット | 通常リンガル矯正ブラケット |
|---|---|---|
| 結紮方法 | ブラケットのシャッター | ゴムまたは結紮ワイヤー |
| 摩擦 | 少ない | やや多い |
| 調整 | 比較的シンプル | 結紮作業が必要 |
| 衛生管理 | ゴムが無い分やや有利 | ゴムの劣化あり |
| 主な装置例 | Damon系など | WIN、Incognitoなど |
ポイント
セルフライゲーションの最大の特徴は
ワイヤーとの摩擦が少ないこと
です。
これにより
- 弱い力で歯を動かす
- ワイヤー交換が簡単
という利点があります。
治療期間は短くなる?(いつまで続くか)
セルフライゲーション装置は
治療期間が短くなる可能性がある
と言われています。
しかし研究では
明確に大きな差が出ないケースも多い
とされています。
矯正治療期間は主に
- 不正咬合の種類
- 抜歯の有無
- 顎骨形態
- 患者年齢
によって決まるためです。
一般的なリンガル矯正の目安は
| 症例 | 治療期間 |
|---|---|
| 軽度叢生 | 12〜18ヶ月 |
| 中等度叢生 | 18〜24ヶ月 |
| 抜歯症例 | 24〜30ヶ月 |
セルフライゲーションで数ヶ月短縮するケースはありますが、
劇的に短くなるとは限りません。
症例による違い(状況・ステージ)
セルフライゲーションリンガルは、以下のような症例で使われることがあります。
適応症例
- 軽度〜中等度叢生
- 非抜歯症例
- 軽度の出っ歯
- 成人矯正
適応が難しいケース
- 大きな骨格性不正咬合
- 重度叢生
- 外科矯正
特にリンガル矯正では
ブラケットサイズ
舌スペース
発音
などの影響も考慮されます。
発生確率(使用される割合)
実際の矯正臨床では
リンガル矯正 × セルフライゲーション
の組み合わせはそれほど多くありません。
理由は以下です。
- 舌側専用ブラケットが主流
- カスタムリンガルシステムの普及
- セルフライゲーションのメリットが限定的
現在の舌側矯正の主流は
| 装置 | 特徴 |
|---|---|
| WIN | ドイツ製カスタムリンガル |
| Incognito | 3D CAD/CAM |
| Harmony | 米国製システム |
です。
対処法(セルフライゲーションが気になる場合)
セルフライゲーションリンガルを検討している場合は、
以下を確認することが重要です。
- 使用している装置
- 治療経験
- 症例実績
矯正歯科医院に以下を質問すると良いでしょう。
- 使用しているブラケットは?
- カスタムリンガルか?
- 抜歯症例の実績は?
具体的な方法(HowTo)
セルフライゲーションリンガルを検討する際の手順
Step1
矯正相談を受ける
Step2
使用装置を確認
- Damon
- WIN
- Incognito
など。
Step3
治療計画を確認
- 抜歯の有無
- 治療期間
- 費用
Step4
舌側矯正の経験を確認
舌側矯正は術者依存性が高い治療です。
予防策(トラブル防止)
リンガル矯正でトラブルを防ぐには
- 舌側矯正専門医を選ぶ
- 症例数を確認
- 装置の種類を理解
が重要です。
注意点
セルフライゲーションリンガルは万能ではありません。
注意点
- 装置選択より術者の経験が重要
- 摩擦だけで治療結果は決まらない
- 舌側矯正は技術難易度が高い
矯正治療では
診断力 > 装置
です。
チェックリスト
矯正相談の際に確認したいポイント
□ 舌側矯正の症例数
□ 使用ブラケット(WIN・Incognitoなど)
□ 抜歯症例の経験
□ 治療期間の説明
□ 治療後の保定計画
FAQ
Q
セルフライゲーションリンガルは普通の舌側矯正より優れていますか?
A
必ずしも優れているとは限りません。矯正治療では装置よりも診断と治療計画が重要です。
Q
セルフライゲーションだと痛みは少ないですか?
A
弱い力で歯を動かす設計ですが、痛みの感じ方には個人差があります。
Q
セルフライゲーションリンガルはどこの医院でもできますか?
A
舌側矯正自体が高度な技術を必要とするため、対応していない医院もあります。
Q
マウスピース矯正より早いですか?
A
症例によります。複雑な歯並びではワイヤー矯正の方が有利な場合があります。
まとめ
セルフライゲーションリンガルとは
セルフライゲーションブラケットを用いた舌側矯正の一種です。
特徴
- 摩擦が少ない
- 調整が比較的簡単
- ゴム結紮が不要
しかし現在のリンガル矯正では
WIN
Incognito
Harmony
などのカスタムリンガルシステムが主流です。
矯正治療を検討する際は
- 装置の種類
- 医院の症例数
- 治療計画
を総合的に比較して判断することが重要です。
監修歯科医師

日本矯正歯科学会 認定医
渡邉 司理(ワタナベ モトリ)
専門
歯科矯正
卒業大学
鶴見大学歯科学部卒業/日本大学歯学部大学院歯学博士
資格
歯学博士/日本矯正歯科学会認定医
所属
日本矯正歯科学会/東京矯正歯科学会/日本大学歯学部附属病院歯科矯正在籍/(医)CosmeDentalConcept理事
まずはここから。
矯正治療する人もしない人も。
無料矯正相談
- 治療費がいくらかかるのか?
教えて欲しい - いつ治療をスタートするのがベストでしょうか?
- うちの子は治療が必要
でしょうか? - 1年以内に治療は終わる
でしょうか?
など、矯正医が疑問にお答えします。

